新型コロナウイルス感染拡大に伴い自治体から営業短縮要請が行われるなど、コロナ禍が飲食店の経営に与えている影響は非常に深刻です。
こうした状況において飲食店が事業を継続するためには、テイクアウト・デリバリー対応といった売上につながる施策を展開することはもちろん、積極的に感染症対策に取り組むことが欠かせません。
そこで本記事では、国内の飲食店において求められている感染症対策について解説します。そのうえで、独自の工夫で感染症対策を進める飲食店の事例を5つ紹介していきます。
飲食店において求められている感染症対策とは
厚生労働省の資料(※1)では、感染症対策では病原体を「持ち込まない」「持ち出さない」「拡げない」ことが基本であると示されています。
一方、未知なる感染症だけに、飲食店においては「どこまで対策をしたら良いのかわからない」「考えられる対策はしているつもりだが、クラスターが発生しないか不安だ」といった悩みを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
飲食店における新型コロナウイルス対策のひとつの基準としては、(一社)日本フードサービス協会により、「外食業の事業継続のためのガイドライン」(※2)が示されています。このガイドラインは飲食店の現場の実情に配慮しつつ「3密」を避けて、従業員の安全・安心を確保するための参考としてもらうべく作成されたものです。
内容としては、「お客様の安全」「従業員の安全衛生管理」「店舗の衛生管理」について、それぞれの具体的な取組内容が紹介されています。例えば、「お客様の安全」においては、入店時の検温やマスク着用のお願いの掲示、「店舗の衛生管理」においては、ドアノブやテーブルの除菌といった対策が示されています。
自らの飲食店の感染症対策について改めて見直したいという方は、こちらを参考にしてみると良いでしょう。
(※1)厚生労働省 感染対策の基礎知識https://www.mhlw.go.jp/content/000501120.pdf
(※2)「外食業の事業継続のためのガイドライン」http://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguideline_20514.pdf
飲食店の感染症対策 5つの事例
ここからは、飲食店において実際に取り組まれている、注目しておきたい事例を5つピックアップして紹介していきます。
その1 非接触を追求したオペレーション〜くら寿司〜
大手回転寿司チェーンのくら寿司では人型ロボット「ペッパー」を活用した座席案内や、食べたお皿を顧客が自ら機器に投入する形で行うセルフカウント方式を導入するなど、以前より非接触なオペレーションに取り組んでいました。
そして、このところ、感染症対策として「タッチレス受付案内機」や「セルフレジ」を導入することで、さらにオペレーションの非接触化を進めています。
「タッチレス受付案内機」では、モニターに触れることなくパネル操作が可能で、不特定多数の人が接触することもないため、衛生的です。また、「セルフレジ」はQRコード決済をはじめ様々な決済手段に対応しています。
●くら寿司 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策https://www.kurasushi.co.jp/news/000525.html
その2 ご飯のおかわりはロボットに〜やよい軒〜
プレナス社が運営する定食レストランチェーンのやよい軒では、定食にセットされているご飯を自由におかわりできることが魅力のひとつとなっています。従来は店内に設置された炊飯器から、注文客がセルフでご飯を盛り付けるオペレーションを採用していました。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大以降は、このオペレーションを中止して注文客が従業員に依頼しておかわりを持ってきてもらう方式となっていました。これでは従業員と注文客の接触機会が増えるだけでなく、従業員にかかる業務負担は増加してしまいます。
そこで、ご飯の量を4段階に調節して盛り付けることができる「ごはんおかわりロボ」を導入。感染症対策と業務効率化を同時に成立させています。
同様の事例として、他の飲食店では配膳や盛り付けをロボットが行うようなオペレーションを導入するといった取り組みが見受けられます。
●やよい軒 感染症対策
https://www.yayoiken.com/ss/
その3 順番待ちアプリで3密を回避〜虎ノ門横丁〜
2020年6月、東京・虎ノ門の「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」3階に、東京の飲食系名店を集めた「虎ノ門横丁」がオープンしました。一方、こうしたフードモールでは、それぞれの店舗に入店するための順番待ちの列ができることなどから、「3密」状況が生まれてしまう可能性があります。
そこで虎ノ門横丁では、「LINEで順番待ち」と「Linkto モバイルオーダー for フードコート」を連携することで、順番待ちとモバイルオーダーとを1サービスに集約しました。
これにより、行列による3密を回避しつつ、オーダー受けのための従業員と顧客の接触機会を低減するオペレーションに取り組んでいます。
●虎ノ門ヒルズ 新型コロナウイルス感染症対策「ヒルズみんなのルール」https://www.toranomonhills.com/info/202006/0001.html
その4 「味集中カウンター」がさらに進化〜一蘭〜
「一蘭」は、カウンターにおいて顧客一人ひとりがスペースを確保できるよう仕切りをつける「味集中カウンター」が特徴の人気ラーメンチェーンです。
この「味集中カウンター」はもともと、女性客でも気軽にラーメンを食べられるように、という配慮から生まれたものですが、顧客同士の接触を避けられるという点から、感染症対策として改めて注目されています。
一蘭では、そんな感染症対策の強みをさらに進化すべく「一蘭衛生システム」として様々な対策を進めています。一例としては、衣服についたホコリなどを吹き飛ばす「エアシャワー」や、検温用のサーマルカメラの導入などが挙げられます。
●一蘭 衛生管理と感染症対策https://ichiran.com/news/2020/02/eiseikanri.html
その5 簡易型店舗の活用 築地銀だこ
ホットランド社が運営する大手たこ焼きチェーンの「築地銀だこ」では、テナント店や路面店だけでなく、ドライブスルー向けの店舗を設置しています。
そんな銀だこが新たにオープンした立川若葉町ドライブスルー店」は、トレーラーハウスを活用したドライブスルー向け店舗として話題となっています。トレーラーハウスを導入することで、ドライブスルーにより接触の機会を低減できることはもちろん、短期間・低コストで出店できるというメリットもあります。
なお、「ドライブスルー店」という名称であるものの、同店舗には自転車や徒歩用の窓口も設置されており、車以外の利用客も購入することができます。
●築地銀だこ 立川若葉町ドライブスルー店オープンhttps://www.gindaco.com/img/news/613/news.pdf

まとめ
ここまで解説してきたように、既に飲食店では様々な方法で感染症対策が進められています。
一方で、ロボットやトレーラーハウスを活用した感染症対策については、導入しようと考えてもコスト面などから、スピーディに取り組むことは難しいでしょう。
そこで、最低限の感染症対策として導入しておきたいのが、キャッシュレス決済システムです。キャッシュレス決済システムはスピーディに対応できることが特徴で、従業員と顧客との接触機会を減らすことが可能なため、感染症対策として優れた効果を発揮します。さらに、業務効率化によって人手不足の課題解消にもつながるというメリットです。
そうしたキャッシュレス決済システムのひとつとして、株式会社Samuraiでは「Samurai Order」を提供しています。店頭での決済機能はもちろん、事前予約・事前決済機能をはじめ、飲食店の感染症対策にもつながる様々な機能を搭載しておりますので、「感染症対策として自社でできることを探している」という方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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