PayPay、楽天ペイ、ゆうちょPayなど、2018年以降、QRコード決済を中心に新たなキャッシュレス決済サービスが次々と登場しています。
そのため、「それぞれの違いや特徴がわかりにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、本コラムでは、国内におけるキャッシュレス決済の現状を踏まえつつ、主なキャッシュレス決済の種類と、それぞれの代表的なサービスを紹介します。
国内におけるキャッシュレス決済の現状
フィンテックの進化に合わせるように、世界中でキャッシュレス決済の導入が進んでいます。欧米ではキャッシュレス決済比率が40〜60%台という国も珍しくありません。また、アジアにおいても、韓国では約90%、中国では60%とキャッシュレス決済は普及しています。
一方、国内のキャッシュレス決済比率は2015年時点で約20%となっており、周囲の国と比べても出遅れている状況です(※)。
こうした状況のなか、政府はキャッシュレス決済比率を40%程度まで引き上げることを目指す「未来投資戦略2017」を閣議決定。キャッシュレス決済の普及に向け、企業や自治体をサポートし始めています。
また、QRコード決済やバーコード決済といった新たなサービスが登場し、コンビニやスーパーなどを中心に導入する店舗が増加。キャッシュレス決済利用者にポイント還元などを行うことで、利用拡大に努めています。
※各国のキャッシュレス比率は、経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」にもとづく
キャッシュレス決済の種類と代表的なサービス
国内でも本格的に普及しつつあるキャッシュレス決済サービスは、支払いのタイミングによって3種類に分類できます。
・プリペイド式(前払い型)
事前に入金しておいた金額分だけ、決済に利用できるキャッシュレス決済サービスです。いわゆる「電子マネー」と呼ばれるもので、次のようなサービスが代表的です。
【Suica】
・JR東日本が発行しているICカード乗車券
・ソニーの非接触型ICカードFeliCaの技術を用いており、乗車券、定期券、電子マネーとしての機能を持っている
・iPhoneなどのスマートフォンで利用できるモバイルSuicaも提供されている
【PASMO】
・小田急電鉄や京王電鉄など100社以上の私鉄・バス事業者が加盟する、株式会社パスモが発行するICカード乗車券
・Suicaと同様、Felica技術を用いており、相互利用も可能
・クレジットカードと一体となったタイプも提供されている
【WAON】
・イオンが発行する電子マネー
・イオンだけでなく、コンビニやドラッグストア、百貨店でも利用可能
・コンビニを利用して自動車税の支払いもできる
【Edy】
・楽天が発行する電子マネー
・スーパーや飲食店など、全国約50万箇所で利用可能
・同社のサービス利用で貯まる「楽天スーパーポイント」をEdyに交換することもできる
・ポストペイ式(後払い型)
決済から一定期間経過した後、金融機関の口座から決済相当額が引き落とされるタイプのキャッシュレス決済サービスです。次のようなサービスが代表的です。
【各種クレジットカード】
・カードを利用して決済した金額が、月1回まとめて請求される
・海外旅行傷害保険やコンシェルジュなどのサービスが付帯するカードもある
・利用分に応じた還元ポイントが用意されているのが一般的
【QUICPay(クイックペイ)】
・クレジットカードに付帯するタイプと、スマートフォンで利用するタイプがある
・いずれも非接触式で、端末にかざすだけで決済が可能
・プリペイド式として使える「QUICPay +」も用意されている
【楽天Pay】
・楽天が運営するコード決済サービス
・スマートフォンアプリを活用し、QRコードやバーコードで決済する
・利用開始前にクレジットカード情報の登録が必要
・即時払い式(リアルタイムペイ型)
決済と同時に金融機関の口座から決済処理されるサービスです。
【各種デビットカード】
・銀行が発行元となり、その口座からカードで決済した金額が即時引き落とされる
・VISAなど国際ブランドが付いているタイプもある
・クレジットカードとは違い、分割払いやリボ払いはできない
【ゆうちょPay】
・2019年にスタートした、ゆうちょ銀行によるコード払いサービス
・スマートフォンに専用アプリをダウンロードして利用する
・東急電鉄の券売機を利用してお金を引き出すこともできる
多様なキャッシュレス決済への対応が顧客増につながる!
このように、キャッシュレス決済導入の過渡期にある日本では、数多くのサービスが混在している状況です。そのすべてのサービスを利用している利用者はごく稀で、一般には1〜2つ程度の決済サービスを、店舗の対応状況に合わせて活用しているという方が多いでしょう。
一方、経済産業省は、2019年10月からキャッシュレス決済の利用者に対するポイント還元などを盛り込んだ「キャッシュレス・消費者還元事業」を実施する予定です。この事業がスタートすれば、利用者がよりお得に買い物をするために、キャッシュレス決済に対応した店舗を優先的に選ぶことが想定されます。
【開始間近!】2019年10月からはじまるキャッシュレス補助金の内容を解説
こうした需要を取り込んで顧客増を狙うためには、様々なキャッシュレス決済サービスに対応しておくことが重要です。加えて、飲食店や宿泊施設を運営している場合には、事前決済の可能なシステムを導入することで直前キャンセルによる損害などのリスクの防止にもつながります。
株式会社Samuraiでは、クレジットカードを始め、様々なキャッシュレス決済サービスに対応することのできるアプリとして「Samurai Order」をリリースしています。事前決済にも対応していますので「キャッシュレス決済の導入を機に、店舗の課題を解決したい」と考えている方は、ぜひご検討ください。

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