「買い物の時に現金を持ち歩かなくて良く、支払いも簡単」
「キャッシュレス決済することで、ポイント還元が受けられる」
このようなメリットがあるとして、国内でもキャッシュレス決済は徐々に生活に浸透しつつあります。
一方、店舗側の目線では「キャッシュレス決済導入には、具体的にどのようなメリットがあるのか、ハッキリしない…」「決済手数料を支払ってまで導入する効果はあるの…?」と考えている経営者の方も多いのではないでしょうか?
そこで、本コラムでは、サービスを提供する側(店舗目線)で、キャッシュレス決済のメリットとデメリットを解説します。
キャッシュレス決済とは?
経済産業省は、国内におけるキャッシュレス決済普及への道筋などを示した「キャッシュレス・ビジョン」において、「キャッシュレス」を「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」と定義しています。
そして、キャッシュレス決済のタイプとして「プリペイド式(前払い)」、「リアルタイムペイ式(即時払い)」、「ポストペイ式(後払い)」の3つを挙げています。
プリペイド式としては、「Suica」や「楽天Edy」などに代表される、いわゆる「電子マネー」が挙げられます。利用金額を事前にチャージして利用するタイプです。
リアルタイムペイ式は、その名の通り即時取引が行われるタイプで、「PayPay」や「LINE Pay」などの「QRコード決済」「バーコード決済」が該当します。また、デビットカードもこのタイプです。
ポストペイ式としては、クレジットカードが挙げられます。決済後に利用者に請求することから、事前に与信審査が行われるのが一般的です。
このように、キャッシュレス決済と一言で言っても、その決済手段は多様で、さらに今後も新たな決済手段が増えていく可能性もあります。
そのため、店舗にキャッシュレス決済を導入する際には、それぞれの特徴を見極めた上で、慎重に検討する必要があります。
キャッシュレス決済導入|4つのメリット
ここでは、キャッシュレス決済を店舗に導入するメリットについて、4つに分けて紹介していきます。
・メリット1 レジ業務におけるミスの防止/効率化
キャッシュレス決済の利用者が増えれば、その分、店舗で現金を取り扱う機会は減っていきます。そのため、レジ業務でありがちな釣り銭間違いや、レジ締め時の現金差異の発生防止にもつながります。
また、お客様が現金の取り出しに手間取ったり、レジスタッフが預かり金や釣り銭を数えたりといった時間もなくなるため、レジ業務を効率化することができます。結果として、レジ待ち時間が短縮されれば、顧客満足度の向上や回転率の改善による売上増も期待できます。
・メリット2 新たな顧客の取り込み
現金志向が強いと言われている日本においても、キャッシュレス決済の利用者は増えつつあります。
この背景には、決済サービスの増加により利用者が自分に合った決済手段を選択できることが挙げられます。また、PayPayの「100億円キャンペーン」、LINE Payの「300億円祭り」のような大規模なキャッシュバックキャンペーンにより、現金よりもキャッシュレス決済が「お得だ」と考える利用者が増えたことも一因でしょう。
また、東京オリンピックが開催される2020年に向け、キャッシュレス決済に馴染みのある訪日外国人の増加も予想されます。
そのため、今からキャッシュレス決済を導入しておくことで、これらの需要に対応できるようになり、新たな顧客の取り込みにつながるでしょう。
・メリット3 消費税増税後に受けられる補助制度
2019年10月1日の消費税率引き上げに伴い、2020年6月までの9ヶ月間、経済産業省主導による「キャッシュレス・消費者還元事業」が実施されます。
この事業は、「中小・小規模事業者における需要喚起を後押しするとともに、事業者・消費者双方におけるキャッシュレス化を推進」することを狙いとしており、消費者だけでなく、事業者側にもメリットがあるものです。
具体的には、キャッシュレス決済について「(端末を導入する場合)端末費用の2/3を補助(1/3は決済事業者が負担)」「決済手数料の1/3を補助」「利用者に5%ポイント還元」といった方策が盛り込まれています。
・メリット4 直前キャンセル・ノーショーの防止
近年では、ウェブサイトを通じて気軽にホテルや飲食店を予約できるようになりました。一方で、直前キャンセルや、予約者が連絡なくお店に現れない「ノーショー」の被害に遭う店舗も少なくありません。
そこで、ウェブ上で金銭的なやりとりが可能なキャッシュレス決済の強みを生かし、事前決済を導入する店舗が増えています。利用者に事前に一定の金額を支払ってもらうことで、気軽なキャンセルを防ぎ、また仮にノーショーが起きた時にも損害を最小限にすることができるからです。
キャッシュレス決済導入|3つのデメリット
一方で、キャッシュレス決済導入にあたってはデメリットにも目を向ける必要があります。
・デメリット1 導入費用・手数料などのコスト発生
キャッシュレス決済の導入にあたっては、クレジットカード決済やQRコード決済に対応した端末を導入しなければなりません。業態によっては、レジ端末や経理システムなども導入したり、リプレイスしたりする必要があることも…。
こうした導入時の初期費用のほか、ランニングコストもかかります。具体的には、決済のたびにクレジットカード会社などに加盟店手数料を支払うことになります。そのため、取り扱う商品やサービスの価格設定も含めて検討する必要が出てきます。
・デメリット2 決済から入金までの時間差
キャッシュレス決済が行われてから、実際に店舗に入金されるまでには、一定の時間がかかります。そのため、売上の変動が大きい店舗や、規模が小さい店舗の場合、キャッシュフローが急激に悪化してしまう可能性があるため、注意が必要です。
なお、一般的な支払いサイクルとしては、電子マネーなどプリペイド式決済やクレジットカードなどポストペイ式の場合、月2回が一般的です。
・デメリット3 現金決済とは異なる手間が発生する可能性がある
決済手段によっては、端末でのQRコード/バーコードの読み取りのほか、署名や暗証番号の入力が必要になる場合もあります。また、利用者側の所有物(クレジットカードやスマホなど)の不具合(故障や限度額超過など)により、正常に決済できないことも…。
こうしたケースでは、店舗側も対応に苦慮するケースが多く、特に導入初期にはかえって会計の手間が増えてしまう可能性も否定できません。
決済機能以外の付加価値にも注目を
このように、キャッシュレス決済にはデメリットもあります。そのため、店舗やサービスの内容や規模、顧客の特性なども鑑みて、メリットとのバランスを考えながら導入時期を検討することが重要です。
また、すでに端末を導入している店舗のなかには、キャッシュレス決済機能を運用するだけでなく、ハウスマネーやポイントなどを発行して顧客の囲い込み・リピーター化を目指しているところも増加しています。そして、こうした機能を持つキャッシュレス決済システムとして、株式会社Samuraiでは「Samurai Order」を提供しています。
「システム導入にあたり、キャッシュレス決済以外の付加価値を求めている」という方は、ぜひ一度お問い合わせください。

次の関連コラム:【2019年最新】キャッシュレス決済の導入事例3選!
前の関連コラム:【2019年最新】キャッシュレス決済の種類と代表的なサービス