新商品の開発やECサイトの開設、新規アプリの開発、売り上げ向上のための業務の改善など、事業を拡大する上では様々な投資が必要となります。
必要な資金は数百万円から1千万円を超えることも珍しくありません。中小企業や小規模事業者、個人事業主であれば、まとまった費用の捻出に頭を悩まることが珍しくないでしょう。
そのような場合の代表的な資金調達手段として、銀行融資がありますが、融資の審査もさることながら負債も抱えることとなり少なからぬリスクがあります。
そのような際に役立つ、返済不要の国の補助金制度があります。国が用意している補助金は、知らなければもったいない便利な制度です。
本日は、その中から代表的な制度である、IT導入補助金や、ものづくり補助金、持続化補助金について、それぞれの特徴や違いについて解説します。
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IT導入補助金の特徴と要件をわかりやすく解説!
IT導入補助金とは、経済産業省が中小企業などに向けて実施している補助金制度です。
対象になるのは中小企業、小規模事業者、個人事業主で、資本金や従業員数に制限があります。対象であれば間違いなくお得な制度なので、申請を検討してみましょう。
※補助対象となる事業者はコチラからご確認ください。(IT導入補助金2021公式サイト)「https://www.it-hojo.jp/applicant/subsidized-works.html」
IT導入補助金は、業務効率化や売り上げ向上を目的に、企業がITツールを導入するための費用を国が一部負担してくれる制度です。補助金なので、返済する必要はありません。
パソコンやタブレットといったハードウェア、そしてパソコンで利用する各種ソフトウェアが対象になります。デジタル化を進めようと考えている企業からしたら、ありがたい制度でしょう。
また、2021年度のITの補助金は、低感染リスク型ビジネス枠が用意されています。対象のITツールはEC-サイト構築も含まれております。ECサイト構築やリニューアルを考えている事業者は、本制度を活用をすることで、高機能なサイトが通常の1/3程度の費用で導入可能となります。
対象になるITツールは、経済産業省の審査を通過したものなので安心です。対象のツールは、IT導入補助金2021公式サイトで確認できます。
※対象のITツールはコチラからご確認ください。(IT導入補助金2021公式サイト)「https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html」
IT導入補助金は、導入するツールによって以下の枠に分類されます。申請できる金額の上限は枠によって異なります。申請できるのはどれか1つのため、注意しましょう。
・A類型
・B類型
・C類型
・D類型
今年は新型コロナウイルス流行の影響で、「低感染リスク型ビジネス枠」が設けられています。それがC類型とD類型です。
A類型とB類型は費用の2分の1までが補助の対象でしたが、C類型とD類型は3分の2までが補助の対象になります。
非対面業務やテレワークに関連するツール導入費用、ECサイト構築費用などが最大450万円まで補助の対象になるため、今年IT導入補助金の申請を検討している方は要チェックです。
なお、株式会社Samuraiの提供している高機能EC-PKGである「ACTUAL REVOLUTION」も、IT補助金の対象ツールとなっているため、お気軽にご相談ください。
ものづくり補助金の特徴と要件をわかりやすく解説!
ものづくり補助金は、中小企業庁が中心となり実施している補助金です。新商品や新サービスの開発に対して費用の一部を負担してもらえる制度です。
IT導入補助金と同様、中小企業などが申請対象になります。最大で1,000万円が補助の対象になるため、設備投資に悩んでいる企業は確認してみましょう。
※ものづくり補助金の対象事業者はコチラからご確認ください。(公式サイトPDF)「https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/7th/reiwakoubo_210616.pdf#page=5」
中小企業は費用の2分の1まで、小規模事業者は3分の2までが補助の対象です。
ものづくり補助金も、新型コロナウイルスの影響で低感染リスク型ビジネス枠が設けられています。仮に低感染リスク型ビジネス枠で不採択になった際は、通常枠で優先的に採択されます。
コロナ収束後に向けた新しいビジネスモデルを考えている企業は、設備投資する絶好の機会です。
ものづくり補助金は年間複数回の締め切りが設けられ、その間申請した企業の中から審査をおこない採択されます。
予算があらかじめ決まっているため、公募がいつまで続くかは未定です。興味がある方は早めに申請しましょう。
なお、株式会社Samuraiの提供しているモバイルオーダーである「SamuraiOrder」は、ものづくり補助金を利用して開発しております。補助金利用を前提としたシステム・アプリ開発についても心得ておりますので、お気軽にご相談ください。
どれを選べばいいの?中小企業向け補助金の選び方
これまで紹介したIT導入補助金やものづくり補助金など、中小企業を対象にした補助金制度はたくさんあります。
ほかには販路開拓を目的とした費用を負担してもらえる、持続化補助金などがあります。
種類が多く、どれを申請したらいいか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。各種補助金について、簡単にまとめてみました。
IT導入補助金 | ものづくり補助金 | 持続化補助金 | |
---|---|---|---|
用途 | ITツール | 新商品・新サービスの開発 | 販路開拓など |
上限金額 | 450万円 | 1,000万円 | 50万円 |
補助率 | A類型・B類型:2分の1 C類型・D類型:3分の2 | 中小企業:2分の1 小規模事業者:3分の2 | 3分の2 |
国による補助金制度は、同じ目的で申請した場合、原則重複して受け取ることはできません。しかし、今回紹介したIT導入補助金やものづくり補助金は用途が異なります。そのため、併用できるケースもありますが、不要な申請をしないよう注意しましょう。
補助金制度はたくさんありますが、申請後に必ず採択されるとは限りません。何を目的に補助を受けたいのかをはっきりさせて、必要な制度を利用しましょう。
締め切りはいつ?各種補助金申請の開始日と締切日について
これまで紹介した補助金制度には、それぞれ申請期間が設定されています。直近の締切日については、次の通りです。
IT導入補助金 | ものづくり補助金 | 持続化補助金 | |
---|---|---|---|
締切日 | 7月30日17:00 | 8月17日17:00 | 10月1日 |
交付決定日 | 8月31日 | 9月末 | 調整中 |
(2021年6月23日時点)
申請を検討している方は締切日を確認し、過ぎてしまわないよう気をつけましょう。各種補助金の締切日について、それぞれ詳しくみてみましょう。
IT導入補助金
IT導入補助金は現在2次締切分の公募をおこなっています。
締切日は、通常枠・低感染リスク型ビジネス枠ともに7月30日17:00です。交付決定日は8月31日になります。
その後の申請は3次締切分のスケジュールを確認しましょう。3次締切日は9月中と予定されています。
(2021年6月23日時点)
※IT導入補助金のスケジュールは公式サイトでご確認ください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は現在7次締切分の公募をおこなっています。
締切日は8月17日17:00です。1か月ほど審査期間があり、9月末ごろに採択発表があります。
その後、公募が続くかは未定となっています。
(2021年6月23日時点)
※ものづくり補助金のスケジュールは公式サイトでご確認ください。
持続化補助金
持続化補助金は現在6次締切分の公募をおこなっています。
締切日は10月1日です。郵送の場合、締切日当日消印有効なので注意しましょう。採択発表のタイミングは調整中です。
その後は7次締切が2022年2月4日と予定されています。更にそれ以降のスケジュールは詳細が決まっていません。
(2021年6月23日時点)
※持続化補助金のスケジュールは公式サイトでご確認ください。
重要!補助金の申請から採択までの流れ
各種補助金の申請から採択までの流れをみてみましょう。
IT導入補助金、ものづくり補助金の申請には、GビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。
GビズIDプライムアカウントは、ひとつのID/パスワードで行政サービスを受けるためのアカウントです。企業ごとにIDが発行されます。補助金の電子申請に必要なため、早めに取得しましょう。
GビズID公式サイトから必要情報を入力後、申請書と印鑑証明書を郵送します。承認されるとメールが届き、GビズIDプライムアカウントにログインできます。
GビズIDプライムアカウントは取得までに数週間かかる場合があるため、スケジュールに余裕を持ってあらかじめ用意しておきましょう。
その後の流れは補助金によって異なります。
※GビズID公式サイトはコチラ「https://gbiz-id.go.jp/top/」
IT導入補助金の申請フロー
①購入するITツールを選択
②交付申請
③採択発表
④補助事業の実績報告
⑤補助金交付
⑥事業実施効果報告
IT導入補助金は、事業実績報告と事業実施効果報告を行う必要があります。
注意すべき点は、採択発表と補助金交付のタイミングです。採択前に契約・支払いをした場合、補助金を受け取れません。焦らずに採択発表を待ちましょう。
感染リスク型ビジネス枠に限り、交付が決定する前に実施した内容であっても適用される場合があります。しっかりと要綱を確認しましょう。
ものづくり補助金の申請フロー
①事業計画書を作成
②電子申請
③採択発表
④説明会に出席
⑤交付申請
⑥中間監査
⑦補助事業の実績報告
⑧補助金交付
ものづくり補助金は、受け取るまでの流れが少々複雑です。
まずは採択発表後に、各都道府県で開催される説明会に出席します。その後、改めて交付申請をする必要があります。
交付決定後は、補助事業の実施期間です。実施期間は最大10か月ほどで、その間に中間監査があります。
補助事業の実施期間終了後、実績報告をします。実績報告をもとに事務局が行うのが、確定検査です。確定検査に問題がなければ、補助金の交付が決定します。
補助金を活用したECサイトやアプリなどを開発するには
IT補助金やものづくり補助金など、各種制度について解説をさせていただきました。返済不要の補助金は、新規事業の助けになる大変便利な制度です。
とはいえ、補助金を活用したシステム開発には、認可後の申請となるため、進め方にコツがあります。Samuraiは、補助金を活用したシステム・アプリ開発にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、Samuraiでは、IT補助金の対象である、高機能なECサイトPKGの「ACTUAL REVOLUTION」を自社開発しております。O2O対応やポイント対応、アプリ連動など、様々なご要望にお答えすることが可能です。
様々なカスタマイズや機能連携しての導入も可能です。もちろんセキュリティ対策も万全ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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