ものづくり補助金とは?システム開発も対象です

「ものづくり補助金」とは、中小企業などの生産性向上を実現するための革新的なサービスの開発、試作品の開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援するための補助金です。
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。

「ものづくり」が名称につくことから、製造業のみを対象とした制度のように思われるかもしれませんが、生産性向上のための取り組みであれば補助対象となり、製造業だけでなく様々な業種で活用できます。
例えば、サービス業、小売業、農業、システム開発などで採択事例があります。中小企業や小規模事業者のほか、要件を満たせば個人事業主も応募が可能です。

「ものづくり補助金」には、「一般型(通常枠)」「一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)」「一般型(デジタル枠)」「一般型(グリーン枠)」「グローバル展開型」の5つのコースがあり、条件によって補助率、補助上限額が変わります。

なお、「ものづくり補助金」は「事業再構築補助金」と併用する事が可能です。

ものづくり補助金を使用するメリットとは?

「ものづくり補助金」を利用するメリットには、以下のものがあります。

返済不要

「ものづくり補助金」は、融資と違って原則返済不要です。
事業規模ごとに定められた上限内の、必要な費用の1/2〜2/3が補助されます。

事業計画を明確にできる

「ものづくり補助金」の採択率は約3〜5割程度です。採択されるためには実現可能性の高い事業計画をしっかりと策定し、わかりやすくまとめる必要があります。

この事業計画の策定は非常に大変な作業となりますが、これをきっかけに事業内容を分析し、課題の整理をすることにつながるでしょう。
策定した事業計画は従業員との意識の共有や、取引先に事業説明をする際などにも役立ちます。

思い切った設備投資ができる

設備投資をしたくても、自己資金だけではリスクを考えてためらわれることもあるでしょう。
その点、補助金が受け取れるのであればリスクを和らげることができ、積極的に設備投資が行えます。他の補助金と比べ、設定金額が大きいことも魅力でしょう。

補助金採択企業として信用を得られる

「ものづくり補助金」に採択されるには、厳しい審査を通過する必要があります。企業の事業計画が公的機関に認められたことになりますので、金融機関などからもプラス評価を受け、融資が受けやすくなるでしょう。

また、補助金採択企業であることがアピールポイントとなり、顧客の獲得や新分野への参入につながることも考えられます。

申請のスケジュールが立てやすい

「ものづくり補助金」は2020年3月に公募が開始されて以来、通年で3か月おきに公募を行っています。公募の申請期間は約2か月、審査期間は約1ヶ月で動くため、補助金申請準備のスケジュールが立てやすいでしょう。不採択となっても再チャレンジできます。

「ものづくり補助金」の申請を検討されている方は、ぜひ一度ご連絡ください。

ものづくり補助金はシステム開発に利用するべき?賢い使い方

中小企業や小規模事業者向けの補助金にも様々な種類がありますが、補助される金額がそれほど大きくないものもあります。
その点「ものづくり補助金」は最大で1,000万円をこえる高額な補助を受けることができます。

システム開発も大規模で複雑なものになればかなりの金額がかかることが予想され、他の補助金では足りなくて悩むこともあるかもしれません。
そのような場合でも「ものづくり補助金」であれば多額の補助金が期待できるため、思い切ったチャレンジが可能となります。

ものづくり補助金をシステム開発に使用した採択成功例

「ものづくり補助金」をシステム開発に使用した採択例についてみていきましょう。

株式会社石橋

近年はキャッシュレス化推進の流れが進んでいますが、関西でガソリンスタンドを運営する「株式会社石橋」では、ガソリン業界で主流のクレジットカード決済での取り扱い手数料が経営の圧迫要因となっていました。

そこでスマホによるQRコード決済のニーズに着目し、「ものづくり補助金」を利用してこの業界で初めてとなるQRコード決済対応のセルフ給油POSシステムを開発し、運用しています。
この対応によって売り上げの拡大、業務の効率化に成功しました。

株式会社MIRAIS Tech

運送会社のIT部門を担うシステム会社である「株式会社MIRAIS Tech」では、「ものづくり補助金」を利用して、軽貨物運送事業を担う個人事業主のドライバー向けに、業務委託料の前払いシステムを開発しました。

業界全体として、ドライバーの定着率の低さやドライバー不足が課題となっていますが、このシステムの運用開始後、約1年で配送会社140社、ドライバー1000事業者の登録があり、初年度から黒字化しています。

株式会社タナカ

「株式会社タナカ」は、物流とテント工事を扱う企業です。かねてから業務の効率化やデータ管理などが課題となっており、これらを解決するため「ものづくり補助金」を利用してオリジナルの販売管理システムを開発しました。
これにより業務の効率化し、受注漏れや処理漏れが減少するなど、課題の改善に成功しています。

ものづくり補助金の申請条件・方法・入金までの流れ

「ものづくり補助金」の申請には、申請者すべてが必ず満たさなければならない基本要件と、申請する枠によって個別に設定されている要件があります。

ものづくり補助金の基本要件

「ものづくり補助金」の基本要件は全部で3つあります。

付加価値額を年3%以上あげる

付加価値額の伸び率が年3%以上あることが条件となります。
「付加価値額」とは、営業利益、人件費、減価償却費の合計です。

給与支給総額を年1.5%以上あげる

給与支給総額を年1.5%以上あげる必要があります。
給与支給総額は賃金・賞与・役員報酬からなる給料と、休日出勤手当、職務手当、残業手当などによる手当の合計です。

事業場内最低賃金を地域別最低賃金から30円以上あげる

「地域別最低賃金」とは、国が定める地域別の最低賃金のことです。
「事業場内最低賃金」は、申請された補助事業の現場で働く従業員に適用する時給額のうち、最も低い金額です。
この2つを比べたときに「事業場内最低賃金」が30円以上高くなければなりません。

さらに、「一般型(通常枠)」以外の「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」、それに「グローバル型」には、それぞれ個別の追加要件があります。
それぞれの要件も満たせるようにしましょう。

次に、申請の流れについてみていきましょう。
まず、補助金の採択までは、

  • 事業計画書を作成する
  • ものづくり補助金事務局に申請する
  • 事務局にて審査
  • 結果(採択・不採択)の通知

という流れになります。

続いて採択後の流れについてみていきましょう。

  • 採択後の説明会に出席する

補助事業についての説明会が各都道府県で開催されるので、採択されたら出席します。
この説明会において、事業完了までの手続きや準備についての説明が行われます。

  • 補助金交付申請

採択された補助金を交付してもらうために、補助金交付申請をしなければなりません。
ここで事業計画書をさらに詳細にしたものを提出します。

  • 補助金交付決定

補助金交付申請が問題なければ、事務局から交付決定通知書が届きます。
これでようやく正式に補助事業を始めることができます。

  • 中間監査

補助事業開始後、一定の期間が経過すると事務局による中間監査が入ります

  • 補助事業実績報告

補助事業が終了したら、実績報告書を提出する必要があります。

  • 確定検査

補助事業実績報告をもとに、事務局から検査が入ります。

  • 補助金の請求と補助金の交付

確定検査に問題がなければ、補助金額が確定します。
確定した金額を事務局に請求すると、補助金の支払いを受けることができます。

ものづくり補助金の申請・システム開発の相談はこちら

これまでみてきたように、「ものづくり補助金」は有益な補助金である一方、補助を受けるためには大変な手間と労力がかかります。

そのため、申請してみたものの、途中で断念するケースが多いのも現状です。

確実に補助金を受け取るためには、やはりプロのサポートを受けることをおすすめします。
本記事を執筆している株式会社Samurai社では、申請のサポートからシステム開発まで一気通貫で対応できます。

「ものづくり補助金」の申請を検討されている方は、ぜひ一度ご連絡ください。

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