ものづくり補助金はECサイト作成にも使用可能?利用枠と応募要領

結論からいうと、ECサイト作成に「ものづくり補助金」は使用可能です。ECサイトによる事業展開を考える事業者は、ものづくり補助金の利用を検討すべきでしょう。

自社の商品やサービスを独自で販売できるECサイトはコストをかけずに立ち上げることはもちろん可能ですが、高機能なECサイトにしようとすればやはり数百万円〜数千万円以上という高額の開発費用がかかります。「ものづくり補助金」を利用することで、質の高いECサイトを作りやすくなるでしょう。

「ものづくり補助金」とは

「ものづくり補助金」は正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。中小企業が新しい商品やサービスを開発したり、生産性を向上させるための設備投資をするのを支援する補助金で、受け取ることができる補助金額の上限は750万円〜4,000万円、補助率は1/2(小規模事業者は2/3)と定められています。

ものづくり補助金には「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル展開型」という5つの枠が設けられています。

通常枠

最もスタンダードな枠で、新しい商品やサービスの開発、生産性を向上させる取り組みを支援するための補助金です。

補助金額5人以下:100万円〜750万円
6人〜20人:100万円〜1,000万円
21人以上:100万円〜1,250万円
補助率1/2(小規模事業者は2/3)

回復型賃上げ・雇用拡大枠

賃上げや雇用拡大に取り組む中小企業の支援を目的とした補助金です。

補助金額5人以下:100万円〜750万円
6人〜20人:100万円〜1,000万円
21人以上:100万円〜1,250万円
補助率2/3

デジタル枠

政府が進めるDX化の一環として導入された枠で、デジタル技術を活用した事業に利用することができます。

補助金額5人以下:100万円〜750万円
6人〜20人:100万円〜1,000万円
21人以上:100万円〜1,250万円
補助率2/3

グリーン枠

温室効果ガスの排出削減に取り組む中小企業等を支援するための補助金です。ほかの枠組みよりも補助上限金額が大きく設定されており、最大4,000万円の補助金が利用できます。

補助金額アドバンス類型
5人以下:100万円〜750万円
6人〜20人:100万円〜1,000万円
21人以上:100万円〜1,250万円

スタンダート類型
5人以下:750万円〜1,000万円
6人〜20人:1,000万円〜1,500万円
21人以上:1,250万円〜2,000万円

スタンダート類型
5人以下:1,000万円〜2,000万円
6人〜20人:1,500万円〜3,000万円
21人以上:2,000万円〜4,000万円
補助率2/3

グローバル展開型

海外への進出や海外事業の拡大・強化などに必要な設備投資を支援する補助金です。これも補助上限額が3,000万円と高めに設定されています。

補助金額100万円〜3,000万円
補助率1/2(小規模事業者は2/3)

これらのうち、ECサイトの作成には「デジタル枠」が採択されやすいでしょう。

ものづくり補助金は応募期間と今後のスケジュール

ものづくり補助金は、2020年(令和2年)3月から公募が始まり、以来、通年で公募が行われています。

現在(2024年(令和6年)3月時点)は、18期の公募が始まっています。

18期のスケジュールは、

  • 公募開始日 2024年(令和6年)1月31日(水) 17時
  • 申請開始日 2024年(令和6年)3月11日(月) 17時
  • 申請締切日 2024年(令和6年)3月27日(水) 17時
  • 採択発表 2024年(令和6年)6月下旬頃(予定)

となっています。

交付申請してから交付決定までの期間は、申請する内容によって異なるものの、おおむね約1ヶ月です。採択された事業者は、交付決定後から事業を開始することができます。

ものづくり補助金の申請は自分でできる?代行申請を依頼するメリット

ものづくり補助金は、申し込めば誰でも受け取れるわけではなく、採択されなければ受け取れません。

申請には「事業計画書」など複数の添付書類が必要となります。申請する枠ごとに定められた書類の提出が求められるうえ、必須ではないものの添付すると審査が有利になる書類もあります。申請する際は準備を早めに行う必要があるでしょう。

ものづくり補助金の採択率は、約30〜40%となっています。採択率が低い理由として、先に述べた事業計画書の作成が困難であることがあげられます。
審査も他の補助金と比べて厳しく、自力での採択はかなり難しいといえるでしょう。

そのため、代行申請を依頼する企業も少なくありません。代行申請すれば必ず採択されるというものでもありませんが、やはりポイントを押さえた専門家に依頼することで採択される確率をあげることができるでしょう。

ものづくり補助金のECサイト作成のために申請した採択事例を紹介

大阪に本社を置くS社は、DXや地方創生事業を行う企業です。経営革新等支援機関として補助金の代行申請も行っており、85%と高い採択率を誇っています。これまでに情報通信業の対東南アジア諸国の越境ECプラットフォームの構築や、飲食業・生活サービス業の食品ロスを解決するSDGs型商品のECサイト開設など、様々な分野におけるECサイトの構築において、ものづくり補助金を活用するための申請代行に実績があります。

この他、ECサイトの構築における代表的なものづくり補助金の採択事例として、製造業によるD to Cがあげられます。従来のように製造業が卸売業に販売するのではなく、ECサイトを構築することによって消費者に直接販売するケースで、利益率の向上や販路拡大に有効に活用されています。

ものづくり補助金をECサイト利用に利用するための代行申請費用と成功報酬

代行申請する際の費用の相場は、着手金として10万~30万円、加えて採択された場合の成功報酬が獲得金額の10~20%ほどとなっています。

そのほか、依頼する業務内容によってオプション費用が発生する場合もありますので、依頼する際はよく確認しておきましょう。

先に述べたように、ものづくり補助金の採択率は約30〜40%であるため、代行申請しても必ず採択されるとは限りません。費用対効果をよく考えて、申請代行を依頼するか検討することをおすすめします。

ものづくり補助金をECサイトに申請利用したい際の相談先はこちら

ここまでみてきたように、ものづくり補助金はECサイトの構築においても有効に利用できる補助金です。これまでに多くの採択事例があり、特に製造業によるEC展開で多くの採択事例があります。

しかし、非常に有効な補助金である一方で、申請しても採択を得るのが難しく、採択率は約30〜40%程度にとどまっています。そのため、自力で申請して採択されるのは不可能ではありませんが、大変な労力を要し、ハードルが高いものとなっています。

このような背景もあり、補助金を得るために相談先を探している業者の方も多いのではないでしょうか。補助金を利用したEC構築に多くのノウハウを持つ株式会社Samurai(東京都渋谷区)は、補助金の申請についての相談に、幅広く対応いたします。ものづくり補助金をECサイトに利用する際は、ぜひ株式会社Samuraiにご相談ください。