近年、屋外や店頭の看板広告に、液晶やLEDモニタを用いた「デジタルサイネージ」が急増しています。コンテンツはデータ配信のため、時間帯や季節に合わせて自由に表示内容を変更でき、視覚効果のある動画コンテンツを用いたプッシュ型の訴求が可能です。o2oマーケティングとして期待されるデジタルサイネージについて、導入事例と効果のポイントを詳しくご紹介します。
コンテンツ
o2oに強い!デジタルサイネージとは
デジタルサイネージとは
デジタルサイネージとは、従来の看板やポスターの役割を果たす映像表示装置の総称です。街、店舗、会社、学校などに設置され、場所に応じた情報をディスプレイに表示できます。具体的には企業や製品、観光情報のインフォメーション。渋滞や遅延の運行情報や、天候情報の配信に広く利用されています。
メリット
液晶や大型LEDモニタを用いて屋内外を問わず動画を表示できるため、プッシュ型の情報発信メディアとして印象に残りやすい特徴があります。ネットワークに接続しているため、随時遠隔からコンテンツの配信・差し替えが可能。リアルタイムな情報発信を戦略的に行えるので、目的に応じて自由度の高い活用が可能です。オペレーションの負担を削減でき、スピーディかつ正確な情報提供ができます。
製品タイプは、多面やチェーン展開ができるマルチディスプレイや完全屋外防水仕様など、機能性や見せ方に応じて工夫が可能。ディスプレイの規模にもよりますが、設置は楽なので導入しやすいでしょう。
【事例①アパレル】天候コーディネート「Scotch & Soda」
オランダのアパレルブランド「Scotch & Soda」が、天候に合わせたコーディネートをデジタルサイネージに表示するアウトドア広告を実施しました。エリアの気温や天候に合わせたファッションを表示され、風が強い場合は洋服がはためくという細かい演出も実現。
状況に合わせた商品表示で顧客に自分事として捉えてもらい、さらに動的なコンテンツを加えることで購買意欲を強く刺激しました。同時にSNSやニュースレターなど複数のチャネルからも接触し、o2oマーケティングの効果を狙いました。
効果のポイント
「Scotch & Soda」は、リアルタイムの天候情報をもとにしたため、カスタマーのリアルタイムな状況に合わせた商品提案を可能としました。また、アウトドア広告は交通量の多いエリアに設置することで、通勤通学時に何度も目に触れやすくなり反復効果も期待できます。さらに、地域イベントや商業施設のターゲットに合わせるなど、細かな情報と連携できればより効果を高められるでしょう。
【事例②飲食】しずる感の演出「株式会社ロッテリア」
ファーストフード店のロッテリアでは、大規模フードコート一括受託型複合店「L’UENO」の店舗でデジタルサイネージを導入しました。メニューボードを映像として見せ、静止画では演出しづらい「しずる感」を強調。顧客の購買意欲を刺激する効果を狙いました。他にも、商業施設の紹介や広告関連の映像としても顧客満足度の向上に努めています。
効果のポイント
飲食店は、季節やキャンペーンに応じてメニューの改変がある程度予想されます。そこで、デジタルサイネージを活用すれば、ポスターやチラシの張り替えや印刷費用の削減ができます。同時に高精細な動画を用いることで、静止画のポスターよりも食欲をそそるダイナミックな演出が可能です。
【事例③区政】東京都港区の区政情報発信
東京都の港区では、区政情報の接触回数を増やすことを目的としデジタルサイネージを導入しました。区が管理する設備はもちろん、行楽客が多く訪れる品川や六本木エリアにある民間施設の設備へも、情報配信ができるよう連携体制を整備。災害時は迅速な情報提供で、安全なまちづくりやオペレーションの負担減を実現しています。
効果のポイント
印刷や配布の手間が不要となり、効率的な手順で常に新しい情報を区民に発信できます。災害時を想定し、複数のデータや機器と連携して情報発信をスムーズに行えるよう考慮されています。区内にある民間のデジタルサイネージとも連携することで、発信力をさらに強化しています。
設置場所やコンテンツを重視した配信を
ポスターや看板による広告は、効果測定がしにくく、マーケティングに活かすには情報が不十分です。より良いサービスや販売促進を行うには、デジタルサイネージで効果的・効率的に訴求するほうが良いでしょう。今回ご紹介した様に、顧客の状況に合わせた提案や、興味を引きやすい表示方法など、デジタルサイネージの特徴を生かして集客に利用してみてはいかがでしょうか。