消費者だけでなく、企業もSNSを活用するようになっている現在。SNS上の個人アカウントからの「口コミ」による発信力が、商品の売れ行きに多大なる影響を与えています。消費者のリアルな声ひとつひとつの発信力が侮れない時代となった今、売り出した商品に対してどうしたら口コミが寄せられ、広がるのか。口コミを使ったマーケティングについて何を参考にすれば良いのかなど、マーケティングに関する情報をまとめてみました。商品のマーケティングを考える際にぜひご活用ください。

口コミとは?

生活者がウェブサイトやSNS上で商品のレビューや感想を書き込んだものを、「口コミ」と呼びます。消費者のリアルな声が書き込まれるため、企業広告と違って商品の良いところも悪いところも発信されるのが特徴。また、ソーシャルネットワーク内でウイルスのように圧倒的な拡散力で広がるため「バイラルマーケティング」としてもビジネスで活用されています。

商品を実際に購入・使用した人の言葉であるため、口コミの情報は企業広告より信頼性が高いとみられる傾向があり、今や口コミの影響力はマーケティングにおいて無視できない存在となっています。ユーザーがネット上で自由に口コミを発信するため、一見企業側で意図的に操作できないように思えますが、ある程度口コミをマーケティング手法に組み込むことは可能です。

口コミを発生させるための環境づくり

SNSの拡散機能を把握する

口コミの対策を始める時にはまず、ターゲットとなるメディアの特性をきちんと把握するところから始めると良いでしょう。現在日本での主要SNSはツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどですがそれぞれ特性があります。主な拡散機能は、ツイッター:リツイート、フェイスブック:シェア、インスタグラム:ハッシュタグ。
ツイッターであれば、キャンペーン情報やブログの記事をリツイートで拡散・バズらせる。インスタグラムであれば、画像のファーストインプレッションがカギなので、見栄えを重視するなど。発信者や投稿者の人気度でもかなり左右されてくるでしょう。

各SNSの好まれる情報の種類、画像、テキストの表示のされ方などを重点的に比較するようにしましょう。
そして、各SNSが売りにしている機能を把握し、商品やサービス、情報を最大限魅力的に見せられる場はどこなのか判断することがポイントです。

商品ページにレビュー欄を設置

商品のウェブサイトを作る際には、誰もが商品についてのコメントを書き込めるレビュー欄を設置しましょう。Amazonなどの通販サイトや、Booking.comのようなホテル検索サイトなど、あらかじめレビュー欄が設置されているサイトを参考にしてみてください。ユーザーとのコミュニケーションをとるためにも設置したほうが良いでしょう。

話題にしたくなる商品を作る

人々に感動を与えるような情報は口コミがさらに口コミを呼ぶような形で、瞬く間に拡散されていきます。狙い通りこのような状態を作り出すためには、魅力的な商品でないといけません。ユニークで力強いコンセプト、インパクトのある商品名にキャッチコピー、美しいデザインや写真映りの良さを考えるなど、商品を作る企画の段階から口コミを意識したアイデアも必要でしょう。

インスタ映えするおしゃれなお店や、ナンセンスで実用性のなさが逆に受け入れられるようなジョークグッズ。過去に口コミの力によって利益につながったケースや、感動的価値のある情報として拡散された成功事例を調査・研究し、上手にエッセンスを取り入れていくことが大事。

口コミを応用した事例集

はなまるうどんのエイプリルフール企画【ダイオウイカ天】

ダイオウイカ天キャンペーン

(出典:はなまるうどんエイプリルフール企画特設サイト【栄養満点!「まるごとダイオウイカ天」新発売。】より)

2013年エイプリルフール企画としてはなまるうどんは、当時ニュースで話題になっていたダイオウイカを使った天ぷらを提供するというジョークサイトを制作しました。

その結果は通常時と比較し24倍もの流入を作り出し、【イカス!】という独自のイイネボタンを設置し8000回以上【イカス!】される結果となりました。企画が好評だったこともあり現在でもこのウェブサイトを見ることができます。

ソフトバンクの太っ腹プレゼント!【ケータイ代金一生分無料!】

(出典:ソフトバンク【ケータイ代・ネット代 最大一生分無料キャンペーン】より)

ソフトバンクは2013年より数回ケータイ代金一生分プレゼントキャンペーンを行っています。2013年のFacebookページ1周年記念では500万円以上分の商品券をプレゼントすると発表して応募が殺到しました。

話題性も充分で15万を超える応募を獲得。ちなみに2015年にはさらにパワーアップしたケータイ代+ネット代金
分の商品券をプレゼントというキャンペーンを行い大きな話題になりました。

※本キャンペーンは終了しています。

ファンの心をくすぐる!AKBのコンサートタイトル募集!

(出典:AKB48グループ東京ドームコンサートより)

アイドルグループAKB48はラジオ生放送中に東京ドームで行われるコンサートのタイトルを募集しました。番組公式メールだけでなく公式LINE経由でも応募が可能な手軽さもあり、瞬く間にファンの間に広まりました。

「自分の考えたイベントタイトルが採用されたら自慢したい!」
「友達のファンとどのようなタイトルを送ったか話のタネにする。」

などの話題を巻き起こす要素が詰まっていることもあり、17万通を超える応募を獲得し、大きな話題を生み出したのです。

※本コンサートはすでに終了しています。

 

口コミは商品の魅力を伝える武器

ネットやスマホの普及などで、メディアが多様化する時代。口コミは、ほぼ無料&誰でも商品を宣伝できるマーケティング手法として注目されています。企業のブランドや商品の魅力を多くの人に伝えられるよう、上手に活用してみてはいかがでしょうか。ポイントは、受け手となるユーザーにとって発信したくなる情報を商品や宣伝時に落とし込めているかです。