LINEは国内最大のSNSプラットフォームに成長し、電話やメールにとって代わる個人間のコミュニケーションツールとして多くの人に使われています。さらには個人間にとどまらず企業対個人の直接的な広告媒体として利用でき、決済サービスのLINE Pay、アルバイト求人のLINEバイト、出前サービスのLINEデリマ、音楽配信のLINE MUSICなど各種サービスを展開し、インフラとしての存在感が増しています。
2017年6月には「LINEショッピング」のサービスを開始。楽天やAmazonなど通販サイトへの送客を支援するショッピングサービスとして集客効果が期待されています。
ここでは、今後もさらにシェアを伸ばすであろう「LINEショッピング」について、システムや出店方法について紹介します。
LINEショッピングとは
出典:https://ec.line.me/より
「LINEショッピング」とは、ネット上で商品を販売するECサイトの新たなプラットフォームです。2017年6月15日にオープンし、オープン当初より「楽天」「WORLD」「伊勢丹」「ベルメゾンネット」と言った大手ECサイトやブランドサイトが出店しました。
LINEショッピング自体にはカート機能や決済機能は無く、商品の購入はそれぞれのECサイトで行う点です。従来のネットショップとは異なり、ユーザーを各ECサイトへ誘導するためのカタログや広告のような存在であり、LINEショッピングを通して購入した際はLINEポイントがユーザーに付与されます。
「ハピタス」や「ポイントインカム」と大手ポイントサイトも同様の機能があります。
消費者のメリットは手軽さとポイントサービス
LINEアプリ内のサービスのため、LINEがインストールとLINEログインができてていればサービスが利用可能。LINEショッピング内でカテゴリやショップ名別で商品検索をかけ、気になるものがあれば掲載商品をタップし通販サイトに遷移。あとはサイト上で購入すればOKという手軽さ。「経由するだけ」という負荷のなさが利用者に受けており、集客効果を期待できる環境が整っています。
LINEショッピングを経由して商品やサービスを購入すると、利用者はサイトごとに設定された還元率のもとLINEポイントが付与されます。1ポイント=1円としてLINE Payで利用できる他、アプリ内サービスのLINE MUSICやLINEスタンプの購入、Amazonギフト券やnanacoポイントへの交換も可能。
遷移先ECサイトのポイントを二重取りできるメリットもあるため、ユーザーにとって継続的な利用が見込まれるポイントサービスです。
LINEショッピング出店のメリット
対象はLINEユーザー全員となっており、国内だけでも約7000万人に向けた訴求が可能です。そのため、非常に強力な宣伝効果を期待できます。また、ショッピングサイトに製品情報を掲載するのみであるため、売上に応じて支払う手数料を除けば、初期費用や運用費用がほぼかかりません。
LINEショッピングのシステム上、JANコード(世界共通の商品識別番号)がある商品は優先的に上位表示されるようになっています。また、「LINE友だち追加」との連携もあり新規ユーザー獲得後は、「友達」としてLINEアカウントからチャットツールを通した継続的なアプローチが可能。リテンションをかけやすい環境で施策を打つことができます。
出店前の確認ポイント
LINEショッピングへの出店には審査があります。あくまでも広告、カタログ的に機能し、カートや決済機能は持たないため、自社でECサイトを持っていることが必須条件です。審査では、決済、運送などの環境がチェックされる他、商品に関する問い合わせへの対応は店舗それぞれが対応しなければなりません。
※LINEショッピング自体はポイント付与に関する問い合わせのみに対応します。
自社ECサイトの環境や、商品コンテンツの充実度など顧客を迎え入れられる段階まで作られているか出店前に確認すると良いでしょう。
LINEショッピング事例
ベルメゾン
ベルメゾンはLINEショッピングにて試験運用を開始。試験の時点で売り上げ規模の大きさに驚いたとのことでした。多媒体より5%ほど高い新規獲得率を誇り、10代から50代まで幅広い層に利用されているというデータも出ました。
今後もLINEショッピングに期待
2017年6月から開始された新サービスであるため、今後もさまざまな構想案が期待されます。アプリを改良し、LINE PayやLINEデリマなど関連機能との連携を深める他、リアル店舗の商品表示やリアル店舗への送客、リアル店舗の購入金額に応じたポイント付与率の変更など、購買行動のオムニチャネル化にも対応できる方法を検討しています。自社サイトの新規ユーザーが伸び悩んでいるのであれば、LINEショッピングへの出店を検討してみてはいかがでしょうか。