こんにちは、O2Oブログ管理人のSamurai君です。
様々な事業者がO2Oビジネスに取り組んでいますが、今回ご紹介するのは海外のネットワーク機器ベンダーであるAruba Networks社の事例となります。
カリフォルニア州のLevi’s StadiumはスタジアムWi-FiとO2Oを同時に実現させるため、Aruba社のMobileEngagementサービスを利用して次のサービスを実現しています。
Levi’s Stadium App
実施期間:2014/11/4~
【特徴】
本アプリを利用すると、①手元のスマート本で試合状況の高画質動画を鑑賞することが出来ます。②またアプリ上で商品を注文するとスタッフが座席まで届けてくれます。
【①動画サービス】
Aruba社は無線LAN機器を主軸としたネットワーク機器ベンダーで、特にエンタープライズ、キャリアスペックのアクセスポイント導入を得意としています。
本事例でも座席数が68,500席という巨大スタジアムで高密度Wi-Fiを展開し、観客が手元で試合のハイライト動画など鑑賞できるサービスを実現しています。
双眼鏡を忘れても座席位置で困ることはないので、これだけでもLevi’s Stadiumのユーザビリティは高いと言えますね。
当然このWi-Fiでネットアクセスも出来ます。
ユーザー規模が大きい場合は3G/4G等の無線WAN回線が混雑して利用困難な状況に陥る場合が想定されますが、高密度Wi-Fiがあればユーザーのアプリ利用、ネットアクセス時にストレスを与える事はありません。
【②注文お届けサービス】
Aruba社はWi-Fiだけでなく、自社開発のAruba Beacon及びそれを管理するクラウドロケーションサービスMeridianも提供しています。
本スタジアムには1,000個ものAruba Beaconを設置しており、Levi’s Stadium App を利用しているユーザーの位置を±1mの精度で捕捉することが出来ます。Wi-Fiによる測位が±10mの精度であることや、GPSの屋内利用不可という性質を考えれば、Beaconによる位置測位は非常に実用的だとわかりますね。
それらのBeaconを管理するMeridianですが、所定のBeaconへのルートを示すようなナビゲーション機能を提供し、さらにCordova/PhonegapのようにiPhone/Android両者で稼働するハイブリッドアプリを作成することが出来ます。
それによってスタッフは、ナビゲーションに従って歩いていくだけで、シート番号を覚えることもなく特定の座席に商品を届けることが出来ます。

<ユーザー側の注文画面>

<売り子スタッフ側のナビゲーション画面>
※Aruba Nerworks 社 ニュースリリースより画像転載
【まとめ】
インフラ系ベンダーがアプリケーションまでワンストップでソリューション提供するというのは非常に強力なアプローチですが、これだけ大規模且つハイエンドなソリューションの導入は国内で検討し辛いですよね。
本事例のようなO2Oサービスは、例えばショッピングモールや商店街でのWi-Fi+ナビゲーションサービス導入など、もっと小規模な形であれば応用可能なのではないでしょうか。
今後も興味深いトピックを更新していきますのでご期待ください。